2008年12月24日
イブのレスキュー大作戦
本日はクリスマスイブでしたね。
事件はグルーヴィン荒川線のリハーサルのためスタジオに入る直前に起きました。遅刻だーと走っていたところ、なにげなくポケットに入っていた自転車の鍵がフワリと宙に舞ったのでした。
すぐに気がついた僕は鍵の軌跡を目で追ったのであります。
勢いよくポケットを飛び出しススーっと転がっていった自転車の鍵はあろうことか下水道の溝にぽとんと落ちてしまったのであります。ホールインワンであります。
のぞいたところ、穴の底は結構深くて溝はせまく、なにか棒のようなものでもない限り取れそうにありません。かぎくんはいきなりご主人さまから離れてしまって怯えている様子です。
すぐにでもかぎくんを救出せねば!と思ったのですが、レスキュー道具もないし、そもそもとりあえず遅刻なのでのちのち救出することを約束しスタジオへ。
リハーサル終了後、打ち合わせも終わってさあ帰ろう、たまった作業の続きをしよう、ではなくいよいよ救出大作戦開始…なのですが、現場はすでに闇に包まれ、携帯の灯りを照らしてやっとかぎくんの姿が確認できるという悪状況。衰弱したかぎくんはびくともしてません。一刻も早い救助活動が要されます。
ここで秘密兵器が登場しました。その名もTR−08。スタジオで借りてきた傘の柄のところにガムテープを反対にくくりつけたとりもちタイプの最新式であります。強力な粘着パワーで一気に狙い撃ちのスゴイ奴であります。ちょっと上から目線で冷めた性格のため、ベテランレスキューたちとままトラブルを起こすこともありますが、本部からの信頼の厚い若きキャリアです。口癖は「そのやり方って昭和式ですか?」
彼の登場によってうまくいくかと思われた救助活動はしかし難航しました。TR−08の粘着パワーによってとれてくるのは枯れ葉ばかりなのであります。しかもかき回された枯れ葉に紛れ込み、かぎくんを視認することすら困難になるという最悪の結果に。苦虫をかむTR−08。
そこへひとりのベテランレスキューが登場。
「ちょっと俺にやらしてもらえないかな…」
彼は荷物をキャリーに固定するためのフック付きのゴム紐だった。そのくたびれた姿を見てTR−08は一蹴。
「荷ひものオヤジさん…、引退したあんたじゃ無理だ」
「無理もヘチマもねえんだ!キャリアもノンキャリアも関係ねえ!大事なのはあの子の命だろうが!」
「あ、あんた責任取れるのかよ!」
「ふ、俺の首がほしいならいつでもくれてやる。さあ、そこをどきな!」
現場は騒然。しかし一刻の猶予もない。
かくして荷ひものフックに鍵をひっかけて救出する、通称夜釣り作戦が決行された。
「ちい、手元がブレやがる」
「やっぱりあんたじゃ…」
「うるせえ、だまって見ろ!レスキューってのは助けたいっていう強い心だ、それをお前に教えてやる」
ジリジリと息詰まる攻防。そして…
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「どおりゃあっ!!」
「ああっ!!」
オヤジさんのフックが見事かぎくんのキーホルダーの輪に引っ掛かり、一本釣り!
「こわかったよう」
「よしよし、よくがんばったな、いい子だ。おとうさんにクリスマスケーキでも買ってもらえ」
「あ、ありがとうございました!!」(これぼく)
「もう落とすんじゃねえぞ」
「は、はい!!」(これもぼく)
再び荷物を固定するためキャリーへと向かうオヤジ。
「ま、まってくれ、オヤジさん、あ、あんたレスキューに復帰するつもりはないのか…」
「ふ、よしてくれ、俺はアンプ固定してるのが性に合ってんのさ、あばよ…おっとそれと…
…メリークリスマス!」
投稿者 :ナカヤン |



